クラウドソーシングの課題

ランサーズやってみたけど地雷クライアント案内所にしか見えない | kosuke.cc

という記事が、なぜか2月ごろに書かれたものなのに、今ごろはてなブックマークあたりで話題になっていた。

ランサーズっていうのは、クラウドソーシング ( Wikipedia)の元締めみたいなところだ。仕事の欲しいフリーのライターやデザイナーと仕事を出したい企業・個人などとの間を取り持って、手数料で稼ぐ。

昔は編集プロダクションがお抱えのフリーランスにそうした仕事を出していたものだが、今はネットが普及したため全国規模で仕事を発注・受注できるようになった。

クラウドソーシングは流行りなので、他にもクラウドワークスなど、いくつかのサイトがしのぎを削っている。

さて、冒頭に書いた最近話題になっていた記事では、実際にクラウドソーシングを使った感想が書かれている。

タイトルにあるように、「ちょっとうーん……なクライアントが多いんじゃないの?」という内容。

これを受けて、ランサーズの社長がブログで説明をしている。

ランサーズに関するブログ記事に対してのお詫びとご説明 | ランサーズ(Lancers)社長日記
ランサーズの秋好と申します。先日、1人のユーザー様が書かれたランサーズに関するブログ記事について、twitterなどを中心に様々なご意見を頂いており、それら1つ1つに目を通し、真摯に受け止め、サービス …

どうも、あまり説明になっていないような気もするんだが、まあ社長はこのような考え方をしているということなのだろう。

ところでmojoもフリーという立場なので、クラウドソーシングというシステムには以前から興味があり、いくつか登録して試してみた。

しかし、まず仕事を探す段階でつまずいてしまう。つまずくというよりも、げんなりしてしまう。

・単価が安すぎる

まず、現状として出てくる仕事は単価が安い。驚くほど安い。書く内容と文字数から換算すると、時給100円ぐらいにしかならないんじゃないのかと思う。

ずっと画面を眺めていると、1文字2円ぐらいの案件が高価に見えてくるから不思議だ。多く見かけるのは1文字0.2円から1円ぐらいのもの。

400文字書いて400円? 0.5円だったら200円だ。

mojoが30年ほど前にはじめて書いた原稿が400文字1000円だか1500円だか、そのくらいだった。30年前だよ。それも小さな版元だったから相当安い部類で、大手だったら当時でも倍以上はしてたかも。

まあ、紙業界は大手以外はそのまま似たような値段で推移していて悲惨といえば悲惨なんだけど。

・ライティング仕事の多くはアフィリエイトサイトの文章

FXについてとか、美容についてとか、日記なら何でもOKとか、とにかくアフィリエイトサイトの文章が多い。

いろいろ見てたら、やっぱりあまりまともなクライアントはこういう場所では仕事を出さないのだろう。

一部ではクラウドソーシングの会社がテレビで取り上げられたりして(タイアップかもしれないけど)、「大手企業が仕事を出してます」みたいなハデな部分も見えるんだけど、実際はほとんどがアフィリエイトサイトの構築ばかりに見える。

ネーミング、コピーライトの部門などはライティング部門よりは違う仕事もあるみたいだけど、それも妥当な値段とは思えない。

・これでいいという人もいる

でも、小遣い稼ぎで参加したい。文章(デザイン)というもので、お金を稼いでみたい。

あまり文章力を問われないなら(実際に未経験OKというものがほとんど←アフィサイト)、それで少しでもお金になるのならやりたいという人もいる。

そして、文章力などはどうでもいいので、とにかくスキマを埋めて欲しいというクライアントもいて、そういうお互いが「これでいい」と思える同士のマッチングにはいいシステムなのかもしれない。

・でも、それでいいの?

アマチュアとアマチュアがくっつくと、収拾がつかなくなるよ。やり直しも出てくるから時間がかかる。言いたいことを伝える能力が低いために、やり取りもより煩雑になる。

もちろん、仕上がりは……想像がつく。

結局、安く作ろうとしてかえって労力もお金もかかる結果になったなんてケースも多いんじゃないかな。

その結果、優良なクライアントは離れ、できるフリーランスも離れていく。あるいは最初から参加しない。

・プロ登録と安心のシステム

現在、多くのクラウドソーシング会社では身元確認や経歴確認などをして、この人は実績があり大丈夫ですよ、みたいな保証を双方でできるようにしている。

しかし、現状仕事の出し方を見ても、やはりプロとアマチュアの境界線があいまいで、どうも使いにくい。

現状の身元・経歴確認でもいいのかも知れないけれど、プロとして◯回以上市販本や企業サイトに文章を書いたとか、デザインしたとか、そのような基準を作ってプロ登録をし、アマチュアOKの案件とは別のマッチングができるようになれば、双方が幸せになれるような気がするのだが、どうだろう。

それでもやっぱり圧倒的に安い見積もりになってしまうのかな。高くなくてもいい。いや、高いほうがいいけど、まあ仕事内容に見合うような原稿料が支払われればいいシステムになると思うのだが。もちろん、仕事をする側にも責任が必要だ。

mojoは病気で去年から丸一年働けなくて、年齢的にも仕事をとるのが難しい年代に入ってきたため、こういうシステムにはちょっと期待していたのだが、今のところプロが使えるものではないような気がする。

・クラウドソーシングの現状はまだまだか

冒頭の記事を書いた人がこの件に関する新しい記事をアップしていた。

昔に書いたランサーズのエントリが今更バズった話&少しだけ後日談 | kosuke.cc
あんなエントリを書きましたが、どうにもこのクラウドソーシングとかいうシステムに諦めがつかず、メンバーに対し、決まった仕事がない時に、ランサーズ上で仕事を探して、スケジュール内で処理できるものは処理するように指示を出しました。結果、1ヶ月ちょっとで20万円届かないくらいの売上を作っていました。 …

サイト構築などでは、やり方によっては使えるのかなと思ったけれど、案件を成立させるための時間や労力など、やはり大変そう。

そして、この記事を書いているうちに目にした記事。まさにこの方の言うとおりなのだろう。

クラウドソーシングってどうよ、についての私的見解 | More Access! More Fun!
もう一回言う、起業に一番重要なのは「営業力」である。営業力が無いとカス仕事を時給10円でやるはめになる。 …

さらに言う。

クラウドソーシングが本当に普及していくためには「適正な価格での発注」「責任を持った受注体制」が必要だと思うわけです。

同意。本気でそのためのシステムづくりがされれば、利用価値の高いものになるだろう。

今、ネットや町中を見ても文章(コンテンツ)は必要とされているように見えるのに、自分を含めてフリーランスの仕事はどんどんなくなっている。

そんな、あぶれ者のフリーランスを有効活用する受け皿として、プロも使えるクラウドソーシングのシステムができればな、と思う。

コメント

  1. Elan より:

    お久しぶりです。

    実は最近ランサーズに登録して、どんなもんかな?と思って幾つか文章書いてみました。
    結構単価が高めだなと思って、トイガンのレビュー記事を3本くらい書いたのですが、一機種のトイガンについて三千文字以上なので、専門的な知識とリサーチが必要で、単価は1文字0.3円以下。これでは知識が必要の無い最低賃金のアルバイト並みかそれ以下だなと思いました。

    これでは専門知識が必要な依頼とか、調査が必要な依頼なんかを受ける人はあまりいないんじゃないでしょうか。実際、その依頼は他に比べればかなりマシな方だとは思いましたが、ほとんど作業する人がいないまま終了してましたから。

    少なくともライティングに関しては、フルタイムで仕事ができない人や、在宅で小遣い稼ぎの内職しか出来ない人に付け込んだような仕事しか無いような感じです。

    それだったら、別に収入には繋がらなくても、延命したiBlogに広告貼り付けて好きなこと書いていた方がいいですね。

    というわけでiBlogを懲りずに更新していこうと志を新たにしたのでした(自爆)

  2. mojo より:

    △Elanさん
    クラウドソーシングの方は、プロ向けとかまともなやつはないですね。3000文字書いたら、30年前に初めて仕事をした時でも1万2千円ぐらいにはなりました。それが1文字0.3円だと900円?

    Elanさんの言うように時給バイトをやったほうがマシです。ただ、まともな会社でもWebは総じてライティングが安めなのかなと最近感じています。たいてい提示してくる単価が30年前よりも安いですから。

    特にフリーのライターはそろそろ引き際なのかも知れません。

    それよりもこの間、iBlogいいっすね(笑)。ここにリンクを貼ってある旧ブログは動いているけど、もう新規記事は更新できないので、Elanさんのは貴重っす!

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