快速電車の車体が、きちんとオレンジで覆われていた頃から、この界隈をウロウロしていたんだけれど、諸事情が入り乱れてのギロンの結果、ついに別れを告げることになった。
70年代を田舎で過ごした者にとっては、なんとなく中央線の文化というのは憧れがあって、幾度も出入りしたし、時には関西まで移住しちゃったりしたけど、それでも相当な時間を中央線沿線で過ごした。
逆に、ちょっと長居しすぎちゃったな、という感じもするので、今度の引っ越しはいい機会だったのかも知れない。
とはいえ、引っ越しについては、いい機会も何もしんどさしかないってくらいで、まあ大変だった。筋肉痛騒ぎは、実はその課程でおこったことだったのだ。
本と古い何かをこれでもかっていうくらいたくさん捨てたけれど、思ったよりは身軽になれずに、今も片付かない段ボールに囲まれながら、この文章を書いている。
「いい年こいて、引っ越しなんてするもんじゃないな」
肉体的には本当にきつくて、そう思うけど、若い頃に引っ越しばかりしていた自分を思い出した。
10代から20代終わりまでのmojoは、相当な引っ越し魔で、契約の更新をしたことがなかった。つまり、たいていのアパートやマンションでは2年更新なので、2年を待たずに引っ越しをしていたということである。
引っ越しをしては、新しい街へ行く。そこでは自分を誰も知らないということにワクワクしていた。そのワクワク感を久しぶりに味わっている。
少し広くなった空を見上げながら、引っ越しは本当に疲れたけど、久しぶりにワクワクさせてもらったから「まあ、いいか」と思った。
コメント
学生時代プラスアルファの4年半位を中央線沿線で過ごしました。いまだに中央線に乗るとノスタルジーに浸ってしまいます。高架が増えて、眺めもだんだんと変わってしまいましたけどね。
今はすごく離れてしまったからこその感慨かもしれません。
△KHOOさん
人の心ん中ってのは面白いですねえ。時間と距離と空間が、近くて遠くて、遠くて近くて。
そんなものにフラフラさせられる人間ってのも面白い。