スコーンをめぐる攻防

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所用があり吉祥寺に出かけた。用事が一段落したので休憩することにした。その日はどの店も混んでいて、やっと見つけたのは2階にあがる小さな喫茶店。

看板にはカフェ○○とか書いてあったけど、mojoにはカフェと喫茶店の違いがわからない。中ではアルバイトっぽい女の子がひとりで店番をしていた。

お腹が少し空いていたので、スコーンと紅茶を頼むことに。そこそこ待たされて出てきたのは、見た目は普通のスコーンだったが、食べてみてビックリ。中身が冷たい。

それも普通の冷たさではなく、凍っているような冷たさ。確かめようと指先で触ってみると、確かに外側は温かいのだが、中身はかなり冷たい。中心部がちょっと固いように思えたから、本当に凍っていたのかもしれない。

若い頃のmojoなら、まずい展開になっていた場面だが、ちょっとだけおとなになったのと、連れの女性が先んじて、
「これ、もう少し温めてくれるとうれしいわ」
みたいなことをトゲのないような感じで店員に言ってくれたので、助かった。

しかし、その譲歩をさらに踏みにじる自体にことは進んでいく。なんと、その店員は中身を確かめるために4片ほどに分解された食べかけのスコーンを温め直しただけで、そのまま出してきたのだ。

もちろん、添えられていたジャムやクリームも中途に食べられた状態。

いやいやいや、普通こういう場合は新しいものを出すでしょ? 思わず、「あっ」とか「うっ」とか声を発してしまったかもしれない。

しかし平然とテーブルに皿を置く女の子をチラ見し、もはや抵抗する気力も失せ、力なく残骸というか残飯と化したスコーンを冷めた紅茶で流しこむ。

なんだかあわてるように立ち上がり、レジに向かう。するとお金を受け取りながら、その女の子が言った。

「スコーン、冷たくてすみませんでした」

そのとき思った。ああ、この子は自分の行為におかしなところがあったとは思っていないんだと。そこに至り、思わずひざから崩れ落ちそうになったが、なんとか店外へ這い出したmojo。

口の中には紅茶で流しきれなかったスコーンの妙な甘さが残っていた。

コメント

  1. t0mori より:

    難儀でしたね。僕だったら一口味見するくらいにして、席を立ちますねぇ。

  2. mojo より:

    △t0moriさん
    どうもです。僕も一人だったら、そうしてたかも知れませんねえ。

    昔は誰かといても、ちょっと面倒くさいことになっていたのですが、その点少しだけおとなになったのか、丸くなったのか。

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