入院日記4 心房細動編 2日目

心房細動について

心臓と言うのは普通はリズムよくトントントントンと鼓動を鳴らし、ポンプの役目をしているが、トン・トトンとかトットットットンとか、リズムが乱れてしまうことがある。

短いものや日に一度くらいなら、誰にでも起起こりうるものなのだが、怖いのはその乱れがずっと続いてしまうこと。そうすると心臓の内部に血栓ができ、やがてその血栓が脳梗塞などを引き起こしてしまう。

だから、心房細動が起きたときには早めの対処が大事で、できれば24時間以内に対処できれば安全だと言う。しかしmojoの場合は、おそらく48時間ぐらい経っているだろうと推測された。

だから治療も慎重に行わなければいけない。治療を行う前に、血栓ができているかどうかを確かめるための検査を行わなければならないのだ。

それが経食道エコー検査というもので、胃カメラのように口から検査器具を入れて心臓の様子を探る。食道は心臓のすぐ後ろ側を走っているため、障害なく心臓の様子を調べることができるのだ。その検査で血栓ができていなければ、その後電気ショックの治療を行い、心房細動を抑え込むのだという。


さて、2日目へ。
午前6時。看護師が来て服薬。以後水分も禁止。朝の検温35.9℃。
血圧124-79-82。血圧は元に戻ったが、脈拍は相変わらず高い。

看護師が昨日夜中の様子を教えてくれた。寝ている時は40台まで脈拍が落ち、起きていると80台、トイレに行くと100台まで上がっていたそうだ。

午前7時。寝起きの採血を久しぶりにやった。他の人の朝食の音を耳で聴きながら、今日の検査のことを考える。

午前9時。心電図をとってもらう。結果は聞かなかったが、心臓のやや重い感じから、おそらく心房細動が続いているのだろう。

その後、看護師が来て、今日のシャワーをどうするか聞かれた。昨日から浴びてないので当然浴びたいが、今日の検査と電気ショックの結果次第という判断で、早く終わったら浴びようということになった。

午前10時。心臓エコー検査に向かい、20分ほど心臓のあたりをグリグリされる。「吸ってー、吐いてー、そこで息を止めて」というのを何度も繰り返し、けっこう疲れる。

はじめての経食道エコー検査

午前10時30分。経食道エコー検査。こちらの方が心臓エコーよりも物々しい。ベッドに横になると大人数に囲まれ、まず口に麻酔液を含まされた。胃カメラでやるやつだ。3分ほど待ってから飲み込んでと言われ飲み込む。久しぶりの水分なのにまずいと言ったら笑われた。

口にマウスピースをはめられたところで、麻酔が始まる。そしてあっという間に落ちたかと思うと、検査は終わっていた。結果は良好で、問題なく電気ショックができると言う。

午前11時30分。電気ショックを受けにいく。なぜか部屋が空いてないということで、個室部屋で処置をおこなった。電気ショックって何かと言うと除細動である。よくあるAEDと同じようなもので、ドーンと電気ショックを与えて心臓のリズムを正常に戻すのである。ただ、AEDよりも流れる電気の量は半分ぐらいと少ない。

さて、その電気ショックがはじまったのだが、またもや麻酔により数秒で落ちてしまい、気がつくと「終わりましたよ」と声をかけられていた。mojoの心臓は正常なリズムを取り戻したらしい。また、生理食塩水のおかげで腎臓の数値も戻った。やはり水分不足と疲れが問題だったのか。

午後1時。看護師が小さな紙コップに入れた水を持ってきて、嚥下テスト。約半日ぶりの水。むせることなく飲み干し、歩行テストののち、待望の昼ごはんとなった。

午後1時30分。ミルクパンと牛乳、野菜と果物のゼリーという内容の軽食が出た。焦って食べ過ぎて、少しお腹が苦しい。そして経食道エコー検査の時、喉から少し出血したらしく、何かを飲み込む際に喉が痛い。

ミルクパン
その後、看護師にちらっと探りを入れると、明日退院という方向で話が進んでいるらしい。うれしい、うれしい。

午後2時30分。薬剤師が来て服薬の説明。どうも薬がいろいろ変わるらしい。血液をサラサラにするエフィエントがエリキュースという薬に変更。前者は動脈に後者は静脈に効いて、血栓予防になるらしい。前者よりも効果が高い人が多いとか。ただし、そのぶん出血を伴うようなケガにも注意してくださいと言われた。

悲報! シャワー浴びれず!

15時10分。看護師がやってきて、シャワーがダメになったという。なんでも検査をしている間にシャワーの予約が埋まり、mojoが入り込む余地はなく、結局蒸しタオルで体を拭くのみとなった。

それでも気持ちいい。昨日は汚れたまま寝たので、全身をあたたかいタオルでゴシゴシ。気持ちよかったなぁ。途中、うっかり入ってきた若い看護師に全裸を見られちゃったけどね。

午後6時30分。主治医が来て「明日退院にしましょう」と言われた。おっと忘れるところだった。「先生、この間接種券が届いたんですけど、コロナのワクチン打っていいんですかね」と聞くと、「打った方がいい」との返答。よかった。急にこんなことになって打てないかと思ってた。退院して週が明けたら予約することにしよう。

午後7時。看護師が来て点滴を抜いてくれた。久しぶりに自由の身。「一応、今晩また心房細動が起きた時のためにルート(薬を入れるための針)だけは残しておくこともできるんですけど、どうします?」と聞かれ、「取っちゃってください」と即答。「そうですよね、私も取るかなぁ。でも残しといてっていう人もいるんです、もう一度刺されるのは嫌だって」

午後7時30分。今日の電気ショックを担当してくれた先生が来て、心臓の動きは安定しているようだって話と、次にもう一度心房細動が起こったらアブレーションをやった方がいいって話をしていった。

カテーテル・アブレーションってやつで、おかしなリズムを作るリレーをカテーテルから入れた器具で焼き切るという手法。これだと根治が可能らしい。

えーっ、カテーテルだけでも嫌いなのに、局所麻酔だけで心臓に何かするっていうのはどうも怖いんですけど。

何度も脈がトントントンと正常に打っているのを確認しがなら、心房細動来ないでくれーと祈る2日目の夜であった。

コメント

  1. あかつき より:

    なんだか読んでると、ドキドキして来ますね…
    心房細動の友人がいるので何となくは知っているんですけど…。

    主人もですが、実は私も4年前?2週間ばかり入院したんですよ…
    1週間絶食だったので、初めてのご飯の写真は保存してあります(笑)
    殆ど覚えていないんですけど、なんか、書きとどめておきたくなりました。

  2. mojo より:

    △あかつきさん
    おお、入院されてたんですね。2週間ってけっこう長いですよね。体力も落ちちゃうし、下界との距離もあいちゃうし。お互い、気をつけていきましょう。

#userlocal kokokara #userlocal kokomade