朝、外科のU先生が来て、今日胸にたまった水を抜く予定だったけど、手術が入ったので、その様子によっては夕方になるかもしれないと伝えられた。
その予告通りに、朝からずっと待っていたが結局処置をはじめたのは夕方になってから。
病棟と同じ階にある処置室に行き、ベッドの上に座らされる。パジャマの上だけ脱ぎ、目の前に置かれた長いテーブルにひじをつく。ちょうど医師に背中を見せて座るような感じだ。
10年前の経験を入れると3回目とは言え、やっぱりこの処置は痛い。部分麻酔もしてくれるけど、効いているのかいないのか、独特の気持ちの悪い痛さがあるのだ。
だいたい穿刺って、なんかもう字が怖いもんなあ。
そういえば前回立ち会った看護師も、近くで見ているとこれが一番痛そう、と言っていた。
今回の穿刺は場所が難しいらしく、何ヶ所か探りながらやったので、さらに痛かった。それでもなんとか場所を決め、左脇背中寄りに管を入れた。
そして懐かしい胸水を吸引する機械がつなげられた。前回は10日ぐらいつけていたのかな。このまま一日、二日置いて、胸水をひけるだけひいてから外すらしい。
しかし機械がついたことで、また自由が少なくなってしまった。とうぜんシャワーも浴びられない。なにより違和感と痛みが加わってしまったので、気分も憂うつだ。
処置室から部屋に戻ると、もう夕食の時間になっていた。あまり食欲はないけど早く治りたいから、無理して食べる。
夜、8時過ぎ。T先生がやってきた。吸引器を見ながら、
「こういう血とリンパ液が混じったようなやつは、体に吸収されないことがあるから面倒なんだけど、この時点で300ccひけてるからやったかいはあったと思う」
と言った。今回、大動脈からの出血と手術時の出血でかなりの血腫が体内にあるらしく、それが回復を邪魔している一因でもあるんだけど、血腫ができても普通はだんだん体内に吸収されていくものらしい。
それが吸収されにくいリンパ液との混じりものであり、あちこちに散らばっていて塊になっていないため、穿刺でも完全に取り除くのは難しいのだそうだ。
しかし、これで少しでも吸引して肺を広げてくれるといいなぁ。
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