朝の血液検査で炎症反応が出た。手術などをしてとくに怖いのが感染症にかかることだ。血液検査で炎症反応が出たということは、その疑いがあるということ。
そこで、これが単純に手術によって体が反応したものなのか、あるいはなにか感染症を引き起こしているのかハッキリさせるために尿検査と細菌検査をおこなうことになった。
看護師によれば痰(たん)と清潔な尿の採取が必要とのこと。簡単なことだと思っていたら、これが意外と手順を踏む検査で、痰は出してすぐに清潔な容器に入れればいいんだけど、尿のほうは消毒をするという。
消毒って……おチンチンのですよ。
看護師が尿を採取するセットみたいなものを持ってきて、二人でトイレへ向かう。
で、その採取セットの中から丸いチョコボール大の脱脂綿が3つ入った容器を開け、ひとつピンセットでつまむと、それでおチンチンを消毒するですよ。
これね、mojoみたいにもう「枯れ」の領域に向かっている年代だったらいいけど、20代以下の世代だったらキツイ検査だなぁ、なんて思った。
いずれにせよ、mojoの場合はいくら若い看護師に消毒されようが、立っているだけで手術痕が痛くて疲れてしまうので、それどころじゃないんだけどね。
午後は心電図とレントゲンの検査をして、あとはダラリと過ごす。
夕食後、歯を磨いているとN先生がやってきた。血圧が下がらないので少し薬を増やします、とのこと。ついでに、レントゲンなどの画像を見ておきますか、と廊下に何ヶ所か設置してあるパソコンのところまでいっしょに行く。
このパソコンはふだん、看護師や医師が患者の情報を入力したり、逆に引っ張り出したりするために設置してあるものだが、ときどきこのように患者に現在の様子などを伝えるためにも用いられる。
まず、病院に運び込まれたときのCT画像を見せてくれた。あの日、自分がどうなったのかをはじめて見る。ちょっと緊張。
先生が輪切りになったCT画像を順番に見せてくれる。見事に動脈瘤が破れ、血が広がっている様子が素人目にもわかる。
とくに左の肺は血の海だ。この海におぼれていたんじゃ、あんなに苦しかったのにも合点がいく。
ついでに現在の左肺の様子も見せてくれた。昨日の日記に書いたように、右の肺がほぼ完全な形で映っているのに対して、左肺は5分の1ぐらいしか形になっていない。
これは手術でつぶしたものが、まだ開ききっていないかららしい。肺をつぶすのは2回目なので、なかなか開かないこともあるとか。
また前述のように動脈瘤が破れて血がいっぱいに広がったため、それが血腫となりたくさん残っているせいで、それが肺の回復をじゃましているとも言われた。
血腫はふつう自然に体に取り込まれるのだが、量が多すぎると取り除かなければならなくなることもあるとか。
とりあえず息はそれほど苦しくないが、咳が出てたまらない。夜寝るときにもかまわず出るので苦しくてしょうがない。そして寝入っていても咳のために起きてしまう。早く左肺が開いてくれないと、この苦しさが続くのだと思うとつらい。
ちなみに午前中にやった尿検査と細菌検査については、熱が出ていないこと、尿も問題ないことから感染症は引き起こしていないだろうとの見解。
N先生は今回の担当医だが、明後日から1週間ほど休暇に入るらしい。
「もし、その時点で退院となったら立ち会えないので、今日いろいろ画像を見せたんですよ」
と言った。えっ、俺そんなに早く退院なんすか? まだ、ぜんぜんダメダメ状態なのに。あと1週間したら劇的に回復するのかなぁ。
なんとなく不安を覚えながら、ベッドに横たわりいつものようにコンコンと咳をする。
コメント
まだ「枯れ」の領域に向かっていますか…、こちらは完全にクリアしてますから、血尿が一週間ほど消えなかった時、尿のカテーテルを自分でやっていましたよ(^_^;。
慣れると結構手際よく出来ます。
じ、自分でですか? うわっ、勇気ないなぁ。どうも最初からオシッコ管は苦手で、いまだにトラウマになっちゃってます。
10年前なら、落ち込んでトラウマにというパターンだったかもしれませんが、継続してやっていたおかげで夜にトイレで起きることが無くなりました。倒れる前は夜に2回以上起きていましたので大改善です(^_^)。