バンドの練習で使うスタジオに行く道すがら、よく見かける猫がいる。これが実に「猫」らしい。
堂々としていて、近づいてもぜんぜん動じない。
それどころか、よそからやってきた人間なんて鼻にもかけないってな風情だ。
まあ、そんな様子を眺めていてもジャマにすらされていないようだからいいけれど、それにしてもこの堂々っぷりは見事なもの。
これは大物に違いない。そう考えて何気なくインターネットで検索してみたところ大外れではなかったみたいで、あの界隈ではちょっとは知られた猫のよう。
だったら、近所のスタジオを使い始めて1年ぐらいの「ペーペー」など、鼻にもかけてくれないのは当然だろう。
ところで、この日おもしろかったのは、猫が鎮座していたモノの正体。遠くから見た時は気づかなかったが、徐々に近づくにつれて「ん?」という感じに。
さらに近づくと「ふふっ」となる。
豚? いやイノシシか。猫に小判、豚に真珠とは言ったが、猫にイノシシなんてのは聞いたことがない。
それにしても彼(彼女?)にとっては、なんとも居心地が良さそうで、イノシシの上で道行く人を眺めては、鼻をフンと鳴らしてる。
今日は彼の眼鏡にかなう人間は通ったのだろうか。
そのとぼけた顔を見ていると、なんだかこちらが値踏みされているみたいで、でも決して悪い気分じゃなくて。
「相変わらずダメそうだなぁ、お前…」
と言われても頭をかいて恐縮しながら、ペコリとしそうである。
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