さよなら父ちゃん28 残された時間

午前1時過ぎと3時過ぎにベッドで寝たまま、また電動で座位にして排尿にチャレンジするもオシッコ出ず。あきらめて寝る。

朝方になって果物が食べたいと言うので食べさせてみるが、結局食べられず。それならばとブドウをつぶしてジュースを作ってみるものの、これも飲まない。

オシッコはその後6時半、10時、12時となんとか出てくれた。

午後2時、 訪問看護師がやってきて、血圧計で測れない(心不全で入院したあとは、たびたびあった)時の血圧のおおよその値の調べ方を教えてもらった。

手首の動脈で脈がふれていれば血圧は80ある。そこでふれなくて腕でふれる場合は60ぐらい。その状態だとオシッコは自分で出せないかも知れない。

さらに調子が悪い時は足の裏を見る。酸素が十分に行き渡らないと紫色になる。そう教わった。

それからは気になって、父ちゃんを世話するたびに、つい足裏を見るようになってしまった。

夕方4時前、医師の往診。そこで、この週末に父ちゃんが逝ってしまうこともありうると言われた。オシッコが出なくなったら1〜2日ということもあると。

そして「住み慣れたご自宅でご家族を看取られる方へ」という文書を置いて行った。

これは僕らへあてた心の準備をするための文書である。そこには残された時間が週単位から日単位になった患者がどういう変化を見せるのか、介護(看取る)側はどういう準備をしておけばいいのか、優しい言葉で書かれていて感心した。

患者の不安だけでなく、家族の不安をよく支えてくれる病院だなと思った。入院中は不満が多かったが、訪問看護に変えてから本当に助かっている。

夜中に父ちゃんの介護をしながら、パートナーと交代でその文書を読んだ。読み終えて思わず父ちゃんを見る。皮下点滴のせいで右腕の倍ほどにむくんだ左腕が痛々しい。

触れると冷たい感触がした。気づいて父ちゃんがこちらを見た。何も言えず、もう一度腕をさすった。

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