さよなら父ちゃん26 できなくなること

午前3時、便をしたいと言うのでトイレの準備。ポータブルトイレに移すためにまずはベッド上で体を起こしてから、ベッドの端に座わってもらうのだが、その段階でどうも体調がすぐれないらしく「横になりたい」と父ちゃん。結局トイレは中止することにした。

点滴は入れているものの、皮下点滴は体が水分を吸収するのに時間がかかる。しかも1日に必要な水分が絶対的に足りていないため氷をちょくちょく舐めてもらっているのだが、今日の父ちゃんは途中で「もう、いい」と吐き出してしまう。

「苦しいの? 」と聞くと、苦しくはないと答えるが……。

午前5時半、オシッコに起きる。顔色が悪い。本人は便がしたいというが出たのはオシッコだけ。

そういえば寝る前には「寒い」と言っていたのに起きたら布団を自分ではがしていた。不思議。

しかし相当しんどそうではあるが、排尿できて安心したのか8時半まで寝た。

午前10時往診。

「これからできなくなることが多くなると思います。トイレに座るのは体力がいるけど、それを本人が望むならそれもいいと思いますよ」と先生。

本当の幸せというのは何か、いろんな考えが巡る。

先生には予定通り、点滴に気持ち悪くなるのをおさえる薬を入れてもらったのだが、夜11時半ごろ珍しく水を調子良く飲んだと思ったら嘔吐。効果がないのかな。

それにしても今日は尿量が少ない。一回の量が10ccぐらいしかない。

また、水分が口からとれていないせいか、舌に赤いただれたような荒れがいくつもできている。痛そうだ。少しでも痛みがなくなるようにスプーンに水をすくって口の中を湿らせるが追いつきそうもない。今日の父ちゃんはつらそうだ。

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