さよなら父ちゃん23 感謝のありがとう

夜中の0時過ぎ、オシッコを順調にしたが、そのあと嘔吐。しかし、苦しむだけで何も出ず。

いつもなら朝方になると排尿欲求が止まって休めたのだが、この日は朝10時まで1時間ごとにオシッコをした。といっても一度に出るのは30ccとか50ccぐらいなのだが。

午前11過ぎ、父ちゃんが「うどんを食べてみようかな」と突然言った。

でも、そんなもの食べられるはずもなく、アメを一粒だけ舐めておしまい。

12時過ぎ、訪問看護師がやって来て薬を飲ましてもらうも、それをすぐに戻してしまった。

このところ、たびたび戻すなあと思っていたら、さらに午後2時半ごろ、ポータブルトイレで排尿のために座っていたらクシャミが出て、それが嘔吐に変わってしまった。なぜ、まともに食べてもいないのにこんなに苦しむのか。つらいなぁ。

夜8時前、 オシッコをしてからベッドに横になった父ちゃんが荒い呼吸をしながらしゃべり始めた。

「いつも言うことではないけれど、言えなくなると困るから言っておくよ」
「うん……」
僕と娘であるパートナーもベッドに近寄った。

「お父さんはつくづく幸せな人生だったと思う。だから感謝の気持ちを伝えておきたいんだよ。ありがとう。本当にありがとう。そしてみんなに世話をかけるかも知れないけど、それでも世話になりながらでも100歳まで頑張る……頑張るから。これからもよろしく頼むね」

それから父ちゃんは、ありがとう、ありがとうと何度も繰り返した。寝るまで繰り返した。

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