さよなら父ちゃん22 終わり行く夏に道案内の姿あり

昨日あたりから父ちゃんの息遣いがどことなく荒い感じ。トイレの回数は相変わらず多いのだが、ポータブルトイレを使うのは体力を使うため、ベッドの端に座って尿器を用いた排尿が増えてきた。

夜中、この日何度目かの排尿を済ませた父ちゃん。夕べと同じように、なんだかはしゃいだような感じでしゃべり出す。

とうの昔に亡くなった奥さんが近くに来ているよう。

「今、そこに来たんだよ。お話ししたんだよ」と言った。

「どんな話をしたの?」と聞くと、
「お元気? って聞かれたから元気だよって答えたんだ」

楽しそうに話す父ちゃん。奥さんが道案内に来たのかな。

夜中の3時過ぎ、再びオシッコに起きた時、水を欲しがったので飲ませると咳き込み、戻してしまった。嚥下(えんげ)が難しくなってきているんだろうか。

午後1時、訪問看護師がやって来る。今日はパジャマの着替えをしたあとで、おまけに髭剃りまでしてもらってサッパリ。

若い看護師だが、さすがにこういう仕事をするだけあって器用になんでもこなす。着替えも僕らが手伝わなくとも、ひとりで上手にやってくれる。

しかし、あれこれやってもらったせいで疲れたのか、午後の父ちゃんは辛そう。

夜、ベッドサイドに置いたイスに腰かけ、寝たり起きたりしている父ちゃんの顔を眺めながら、二日前からパタリと夜蝉の鳴き声が途絶えたことに気づいた。

そういえば夕方買い物に出た時、風に秋の匂いが混じっていた。路傍に生えたひまわりもうなだれる。夏もそろそろ終わりか。

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