さよなら父ちゃん8 医師との話し合い

暑い日が続く。今日で入院から1週間。父ちゃんは相変わらず食べられない。お昼ゴハンはメロンとナシを2口ずつ。本人もつらそう。

パートナーと自分たちの軽食を買いがてら病院の近所を散歩。偶然神社を見つけたので境内に入り、お参りしておく。

病室に戻り、しばらくしたところで看護師が呼びに来た。前日看護師の連絡ミスで担当医師との面会ができなかったので今日に延びたのだ。

ナースステーションの一角で医師と話す。このままの状態なら一ヶ月ぐらいしかもたないかも知れないと言われる。

もう10日ぐらい、ほとんど食事ができていないのだから、そうなるだろうと予想していたが、点滴を打ち始めてから多少は回復傾向にあったので、受け入れられない面もある。

わかってはいるが、わからないという矛盾した気持ち。

また医師から在宅診療に切り替えても、点滴は続けられると聞いた。それは皮下点滴という方法で、お腹のあたりに針を刺すんだそうだ。

静脈に点滴をするよりも栄養はとれなくなるが、24時間点滴できるので水分はそこそことれるという。

パートナーが「訪問医療をお願いすることになると思います」と口にした。

彼女はずっと、どうしたら父ちゃんの尊厳を保つことができ、どうしたら父ちゃんの心が安らぐのかということを考えてきたので、迷いなくそう言った。

「じゃあ、もう少し様子を見て退院日を決めましょう」
医師が言った。

病室へ戻り父ちゃんに明日また来るからね、と声をかけてから夜の街をトボトボと歩いて駅に向かった。

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