さよなら父ちゃん1 食欲減退の夏

時間をこのブログの更新が止まった7月の下旬に戻す。

日本の訪問医療や在宅介護について、少し書き残しておきたいと思ったからだ。そして大好きだった父ちゃんのこともここに書くことで多少は整理がつくのかなと思う。

3月に心不全で入院して以来、ずいぶんと食が細くなった父ちゃんだが、夏の暑さが本格的になってきた頃からさらに食べられなくなっていた。

それでも大好きなソーメンには手を出してくれていたので、1日おきぐらいのハイペースで、夕食はソーメンをメニューにしていた。

しかし、次第に食べ物だけではなく飲み物も飲まなくなるにつれ、これはよろしくないなあ、と思い始めた。

というのも季節は真夏。ただでさえ暑い。それなのに最低限のお茶・お水さえ飲まない父ちゃん。

飲ませようとしても要らないという。しかも、エアコンをかけると風が気になるから切って欲しいという。

仕方がないので居間のエアコンを一日中付けっ放しにして、さらに2台のサーキュレーターを使ってその風を循環させ、父ちゃんの部屋の温度を下げるようにした。

それでもこんなに暑いというのに水が飲めないんじゃ、追いつかない。栄養もとれていないし、困ったなと思って近所のクリニックにかかることにした。

すると、この状態を脱するためには、胃ろうか、静脈に栄養を入れるための管を埋め込む手術をするしかない。普通の点滴では難しいと言われた。

でも、それはしたくないのだ。そう伝えると、訪問医療医を紹介するからそれを受けてみたらと言われた。

すぐに訪問医にFAXを流しておくからと言われたが、その日が土曜日で訪問医からは電話がかかってこなかった。

そうこうしているうちに1日が経ち、8月の頭の日曜日、mojoの家の電話が鳴った。

パートナー(父ちゃんの娘)より、いつもと様子が違うから来て欲しいという電話。

行ってみると、確かに身体に力が入らないような感じでベッドでグッタリしている。朝から何も食べられず、水を飲んでも吐いてしまう状態だという。

どうしようかと悩む。車椅子に乗せたとしても、病院に連れて行くのは難しそうだ。といって救急車を呼ぶのは迷惑なのか?

昨日紹介してもらった訪問医療医からは連絡がない。のちにクリニックが電話番号を間違えて伝えるという失態を犯していたことが判明するのだが、この時点ではわからない。

しばらく悩んだのち、5月に短期入院した病院が訪問医療もやっているので、電話で相談してみることにした。

電話してみると、状態を聞いた先生はすぐに来た方がいい、遠慮しないで救急車を呼びなさいと言ってくれた。

結局、このアドバイスに助けられた。いろいろ検査をしてみると、父ちゃんは極度の脱水症状を起こしていたのだ。先生は軽い熱中症だと言った。

おそらく来るのをちゅうちょしていたら、もっとひどい状態になっていただろうと言われ、気づいてあげられなくてゴメンと、心の中で父ちゃんに謝った。

結局、そのまま父ちゃんは入院することになった。

コメント

#userlocal kokokara #userlocal kokomade