なかなか始まらなくて、なかなか終わらない旅>>>深夜特急

深夜特急1―香港・マカオ― (新潮文庫)
新潮社 (2012-07-01)
売り上げランキング: 1

ある種の年代の男にとっては、この装丁を見ただけで「おおっ!」と反応する本のひとつ、深夜特急の香港・マカオ編がkindleストアでセールされていた。久しぶりに見たので、つい、記憶の底をさぐってしまった。

知らない若い世代のためにちょっとだけ解説するとインドからロンドンまで乗合バスを使って旅をするという本なんだけど、まず出発点のインドまでたどり着かない。

香港の怪しい宿でズルズルと過ごし、マカオでギャンブルにはまりあやうく旅の資金を使い果たしそうになったりして、出発点ときめたインドのデリーまでなかなかたどり着かないのだ。

まあ、そのルーズさとその後の著者の行動に、当時の若者はおおいに刺激され、同じルートをたどり旅をする者が何人も出たらしい。

らしい、というのは、著者の沢木耕太郎(著書一覧→Amazon)が当時のサイドストーリーを記した旅する力―深夜特急ノート (新潮文庫)という本を出版しているからだ。

旅する力―深夜特急ノート (新潮文庫)

彼が作家になったきっかけや深夜特急の別の側面が描かれているので、深夜特急を読み終えた後に読んでみると、また新たな面白さが見つかるかも知れない。

で、そのなかにファンとの交流を描いたシーンであり、何年もかけて細切れで沢木耕太郎の足跡をたどる者や、これから旅に出たいと希望を語る者など、たくさんのフォロワーがいることがわかる。

最近では、インターネットで日々の記録をつづりながら旅をし、ほぼリアルタイムで交流をはかりつつ旅の魅力を伝えている人たちも多くいる。

旅ができない者はそういう姿に憧れ、自己分身を世界の果てまで旅立たせることで、うずく気持ちを抑えつける。その刺激に耐えられなくなったものは、ザックに荷物を詰め、エアチケットを確保しに走るのだ。

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